はじめに|今、セガサターンで『街』にハマっています!
現在、セガサターンの『街』をプレイしています。
正直なところ、ここまで引き込まれるとは思っていませんでした。
性別も年齢も境遇もまったく異なる8人の主人公たち。
彼らの人生が「渋谷」という街を舞台に、
ほんの些細な出来事や選択をきっかけに錯綜し、
出会いと別れを繰り返していきます。
人生を描いたゲームは数多くありますが、
『街』はその中でも少し特別な存在です。
本作は「物語を読むゲーム」ではなく、
人生をザッピングするゲームだと感じました。
『街』とはどんなゲームか(未プレイの方向け)
- セガサターンで発売されたサウンドノベル作品
- 舞台は1990年代の東京・渋谷
- 実写映像とテキストで物語が進行
- 主人公は8人で、それぞれ全く異なる人生を歩む
本作の大きな特徴は、
プレイヤー自身が主人公になるわけではないという点です。
プレイヤーは誰か一人に感情移入するというよりも、
複数の人生を俯瞰し、覗き見る立場として物語に関わっていきます。
8人の主人公が生む、奇跡の群像劇
『街』の面白さの核は、間違いなくこの群像劇構造にあります。
- 年齢も職業も価値観もバラバラ
- それぞれが自分の人生を懸命に生きている
- 知らないところで、他人の行動が影響し合う
ある主人公にとっては取るに足らない一日が、
別の主人公にとっては人生を左右する重要な分岐点になることもあります。
誰かにとっては一瞬の出来事が、
別の誰かにとっては人生を変える事件になります。
この感覚が非常にリアルで、強く心に残りました。
重くなりすぎない、コミカルで心地よいテンポ
人生を描く作品というと、
どうしても重く、暗い印象になりがちです。
しかし『街』は違います。
- テキストのテンポが非常に良い
- クスッと笑える選択肢が豊富に用意されている
- シリアスとコメディの切り替えが非常に上手
深刻な状況であっても、
どこか余白があり、プレイヤーを追い詰めすぎません。
- 説教くさくならない
- プレイヤーを置き去りにしない
- 最後まで気持ちよく読み進められる
このバランス感覚は、今遊んでも本当に見事だと感じました。
神機能「ザッピング」|物語と完全に噛み合った設計
『街』を語るうえで、
ザッピング機能は欠かすことができません。
ザッピングとは何か
- 時間を戻し、別の主人公の視点に切り替えられる機能
- 一本道で進行することを強制されない
- 行き詰まったら、別の人生に移動可能
これは単なる便利機能ではありません。
なぜザッピングが優れているのか
- 行き詰まりがストレスにならない
- 群像劇という物語構造と完全に一致
- 「人生は一つではない」という感覚を自然に体験できる
別の主人公を進めているうちに、
以前止まっていた物語が、ふと動き出すことがあります。
この設計の美しさには、思わず唸ってしまいました。
当時このシステムを考えた方は、本当に神だと思います。
ゲーム制作の視点で見ても驚異的な完成度
にしゲーム的な視点から見ても、
『街』は設計思想の完成度が非常に高い作品です。
- シナリオ構造
- UI(ザッピング機能)
- プレイヤー体験
すべてが「群像劇を体験させる」ことを前提に設計されています。
- 物語とシステムが分離していない
- システム自体が物語を語っている
- ゲームデザインの教科書のような構造
本作は、
「ストーリーが良いゲーム」ではなく、
ストーリー体験として完成されたゲームだと感じました。
なぜ今プレイしても色褪せないのか
時代は大きく変わりました。
しかし、人が抱える悩みや人生のすれ違いは、今も昔も変わりません。
- 偶然の出会い
- ちょっとした選択
- 知らないところで繋がっていく人生
SNS時代の今だからこそ、
『街』の描く世界はむしろリアルに感じられます。
人生は思い通りにならないものです。
ですが、だからこそ面白いのだと思います。
その本質を、本作は軽やかに、そして深く描いています。
こんな方におすすめです
- ストーリー重視のゲームが好きな方
- 一本道のノベルゲームに飽きてしまった方
- 群像劇や人生ドラマが好きな方
- ゲーム制作やシナリオ構造に興味がある方
一つでも当てはまる方には、
ぜひ一度体験していただきたい作品です。
まとめ|『街』は人生を渡り歩くゲームです
『街』は、
読むゲームでも、見るゲームでもありません。
人生を体験する物語です。
ザッピングによって人生を渡り歩き、
笑い、驚き、立ち止まり、そしてまた進んでいきます。
本作は間違いなく、
セガサターンが生んだ奇跡の一本だと思います。


